初心者必見!ハワイ旅行で便利な「ザ・バス」の乗り方ガイド
ハワイの島々の中で最も多くの観光客が訪れる人気の渡航先がオアフ島です。島内を観光する際の交通手段はさまざまありますが、リーズナブルで利便性も高いのが公共バスの「ザ・バス(TheBus)」。この記事ではザ・バスの利用方法や路線・料金、乗車の際の注意点などを詳しくご紹介します。
ハワイの移動手段は「ザ・バス」が便利!
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オアフ島内で運行されている「ザ・バス」は路線数・便数ともに多く、朝早くから深夜まで一日中走っている公共交通機関です。そのため、自家用車とともに、地元の人に日常的によく利用されている、いわば"ハワイの庶民の足”だといえます。そんなザ・バスをオアフ島観光の際の移動手段におすすめしたい理由には、以下のふたつがあります。
ザ・バスのメリット
一律料金で安く移動できる
ザ・バスが何よりもうれしいのは、距離やルートに関わらず、乗車1回につき$3という格安の料金です。しかも乗車後2時間半以内であれば、追加料金なしで乗り換えが何度でも可能!さらに、一日の引き落とし金額に上限があるプリペイドカード「ホロカード(HOLO card)※後述」を使えば、さらに便利にリーズナブルに乗車できます。
オアフ島内のほとんどのエリアで運行
ザ・バスのもうひとつの特長はオアフ島全体を網羅した路線の充実ぶりで、島内にあるほぼ全ての観光スポットにもアクセスが可能です。また目的地に最短・最速で到着できるタクシーやUber、限られた固定ルートのみで運行するトロリーと違い、地元の暮らしに密着した路線を走るため、ローカル気分を味わう楽しみも体験できます。
路線
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主要路線・エリア
ザ・バスの路線は主なものだけでも20以上、その総数は100以上に上ります。島内をくまなく網の目のように走っているため、島の周遊も可能です。ルート上には旅行客に人気のワイキキ、アラモアナ、ワード・カカアコ、ダウンタウンといった主要エリア、ダイヤモンドヘッド、西部のパールハーバー、東部のカイルア、北部のノースショアといった有名観光地も含まれ、空の玄関口「ダニエル・K・イノウエ国際空港」にもアクセスできます。
「西回り」と「東回り」
ワイキキやアラモアナなどをザ・バスで出発して郊外のスポットに向かう場合、東回り(東行き/Eastbound)と西回り(西行き/Westbound)、2種類の路線がある場合があります。ふたつを比べた時に目的地への所要時間が大きく違っていることがあり、ルート選びを間違うと時間を無駄にしてしまうかもしれません。路線検討の際はGoogle Mapsなどの地図アプリ等で効率的な行き方を調べておくとよいでしょう。
料金体系
片道運賃
片道運賃 |
大人$3、6〜17歳の子供$1.75、5歳以下無料(大人同伴の場合。 2人の場合は子供1人分の料金が必要) |
現金払いには紙幣と硬貨の両方が使えますが、お釣りが出ないため注意してください。
なお、「ホロカード(HOLO card)※後述」で支払いをする場合に限られますが、6〜19歳であればパスポートなどの証明書とともに、ザ・バスのオフィスやサテライト・シティ・センター(市の出張所)で申請を行うと割安のユース料金(片道$1.5)の適用が受けられ、65歳以上も同様の申請でさらに安いシニア料金(片道$1.25)の適用が受けられます。
一日券
一日券 |
大人$7.50、6~17歳の子供$3.75 |
上記金額は「一日券」としてプリペイド式の「ホロカード(HOLO card)※後述」を使った場合の1日の乗車料金の最高引き落とし金額です。
カードは利用者ひとりにつき1枚$2で購入し、公式サイトまたは販売店でチャージしてから使用します。※カードについては後述
またホロカード使用時に限られますが、6〜19歳で「ユース料金」が適用されると$3.75、65歳以上で「シニア料金」が適用されると$3で1日乗車し放題になります。
マンスリーパス(1ヶ月券)
マンスリーパス(一ヶ月券) |
$80 |
一ヶ月有効な「マンスリーパス」はザ・バスのパスオフィス(平日の7:30〜16:00に営業)で購入できますが、有効期間は各月1日~末日までで、各月のマンスリーパスはその月の19日までに購入が必要です。
また「ホロカード(HOLO card)※後述」もマンスリーパス代わりに使え、その場合、各月の1日から末日まで使っても$80を超えて料金が引き落とされることはありません。またこちらも既に説明した「ユース料金」「シニア料金」の対象です。
アニュアル パス(年パス)
アニュアルパス(年パス) |
$880 |
1年間有効な「アニュアルパス」はザ・バスのパスオフィス(平日の7:30〜16:00に営業)か電話(808‐768‐4656)で購入でき、購入した月から12ヶ月間有効です。
またマンスリーパス同様に「ホロカード(HOLO card)※後述」をアニュアルパスとして使え、年間の合計利用額が$ 880に達した後は、それ以上の金額が引き落とされることはありません。なお、こちらも「ユース料金」「シニア料金」の対象です。
バス停
停留所のサイン
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ワイキキなどの都市部には屋根付きまたは屋根の下に専用ベンチが設置された停留所のほか、歩道の一部がバス停に使われているタイプの停留所があります。
いずれにも共通して金属製の立て看板が目印に建てられており、看板にはTheBus(ザ・バス)とアルファベットの文字と正面から見たバスのシルエット、さらにその横に停車するバスの路線番号が書かれています。なお都市部の場合、停留所は主な通りの交差点の角にある場合が多くなっています。
大きな看板がない場合も
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郊外エリアの場合、分かりやすいバス停が設置されておらず、停留所のサインとなる金属看板だけが立っていたり、TheBusの文字とバスのシルエットが描かれたプレートが電柱や木の幹などに取り付けられているようなケースが珍しくありません。
停留所が見つかりにくい場合は、人に尋ねるか、Google Mapなどの地図アプリやザ・バス専用の停留所検索アプリ「DaBus2(ダ・バス 2)※後述」などを使うとすぐに見つかるでしょう。
車体・デザイン
デザインの種類
イエロー
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白をベースに、上から順にアースカラーのイエロー、オレンジ、ブラウンの線が3本並んで描かれている車体のデザインです。古くから採用されている最もオーソドックスなタイプのため、オアフ島滞在中に見かける機会が一番多いかもしれません。一台のみで走っているものと二台連結の長いバスの両方が見られます。
レインボー
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白ベースの車体の側面に、中央部上から後方部に流れるように鮮やかなレインボーカラーが描かれ、その下の車体下部に太いブルーのラインが入っています。虹がシンボルとなっているハワイらしいデザインだといえるでしょう。こちらも「イエロー」同様、一台だけで走っているものと二台が長く連なった2種類のバスが運行しています。
イエロー〜オレンジ(電気バス)
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近年導入されたばかりの電気で走るバスの車体は、丸みのあるモダンなホワイトのボディ側面の後ろ半分にイエロー、オレンジ、ブラウンの幾何学模様が描かれたデザインです。2023年6月の時点で全17台が走っており、「揺れが少なく冷房の効きもよい」と好評。2045年頃までには全車両が電気バスに変わる予定だといいます。
行き先はどうやって確認する?
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バスの行き先は、車体の電光表示板に表示されている「路線番号」と、その右横の「行先名を記した文字」の両方で確かめられます。表示板はバスの正面、フロントガラスの上と前方ドアの左横の2ヶ所にあります。ただし、路線番号が同じでも通過ルートや行き先が違っている場合があるため、心配ならドライバーに「Does this bus go to ~~~(目的地)?/ ダズ ディス バス ゴー トゥー ~~~(目的地)?」と確認すると安心です。
乗り方・降り方
乗り方
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目的のバスが停留所に到着したら、他に乗客がいないなら手を上げて乗車の意思をドライバーに伝えましょう。
降車客が全員降りた後に、前方ドアから乗り込みます。
先払い制での料金は、現金なら運転席脇の料金箱(紙幣と硬貨で投入口は別)に入れ、「ホロカード(HOLO card)※後述」は右手のカードリーダーにタッチして乗り込みます。
前方の優先席は避けて空席に座るか、他の人の邪魔にならない場所に立つようにしましょう。
降り方
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各停留所に接近すると付近の通りや建物などの名前が音声で流れます。
目的の停留所の音声案内が聞こえたら窓付近に張られたワイヤーを引くか、赤いSTOPボタンを押して降車の意思を知らせます。
「ストップ・リクエステッド(STOP REQUESTED)」という音声が流れ、車内前方の電光掲示板に同じ赤文字が点灯したらOKです。
降車は自動開きの前方ドア、黄色ラベルに触れると開く中央部ドアのいずれかで行います。
支払い方法
既にご紹介した通り、ザ・バスの料金の支払いには「現金払い」とプリペイドカード「ホロカード(HOLO card)払い ※後述」の2種類の方法があります。滞在中にザ・バスを何度も利用する場合、その度に現金を準備するのは面倒なため、ホロカードがおすすめです。以下では、各支払方法のポイントや注意点を詳しくご紹介します。
現金
現金払いの際は紙幣($1紙幣)・硬貨ともに使え、運転手近くの料金箱に投入します。繰り返しになりますが、日本のバスと違ってお釣りは出ないため、きっちり料金分を用意しておきましょう。乗車料金は大人$3、6〜17歳の子供$1.75。アメリカの硬貨には25¢、10¢、5¢、1¢の4種類があり慣れていないとそれぞれの区別が難しいため、硬貨を使いたい場合は乗車前に余裕をもって正しい金額分を数えておくとよいでしょう。
ホロカード
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「ホロカード(HOLO card)」の「HOLO」とはハワイ語で「行く」「乗る」という意味で、オアフ島のザ・バスや、2023年7月に一部開通したハワイ初の鉄道「スカイライン」乗車の際の料金支払いに使える、プリペイド式の交通系ICカードです。同じ日に繰り返しバスに乗る場合、一日の支払い上限金額が大人$7.50(子ども$ 3.75)となっているホロカードを使った方がお得な場合が多いことは押さえておきましょう。
ホロカードの買い方
1枚$2の「ホロカード(HOLO card)」は、カリヒにあるザ・バスのパスオフィスやサテライト・シティ・オフィスと呼ばれる市役所の出張所に加え、旅行者に身近なABCストア、セブン‐イレブンなどのコンビニエンスストア(一部店舗)や、フードランド、タイムズといったスーパーマーケット(一部店舗)などで購入できます。また1枚のカードで複数の人数分の支払いはできないため、利用者ひとりにつき1枚ずつ購入する必要があります。
チャージ方法
「ホロカード(HOLO card)」は購入時に$ 3以上の入金が必要です。ホロカードの公式ウェブサイトか販売店で最大$178.50まで可能ですが、一部店舗は販売のみでチャージ不可の場合がありますので事前に公式ウェブサイトでチェックしてください。2023年8月現在、カードへの再チャージはスーパーマーケットのフードランド各店、セブン-イレブンの一部店舗でのみ可能で、チャージできる金額は店舗ごとに異なっています。
支払い時にチップは必要?
ハワイでは各種サービスへのチップの支払いがマナー・慣習になっています。ただし交通手段の場合は少し違って、タクシーに乗る際はメーター料金の15%前後のチップを払う必要があるのに対し、ザ・バスでの支払いにはチップが一切不要です。そんな点からも、ザ・バスは旅行者が何度も利用したくなる移動手段だといえるでしょう。
ザ・バスの乗り換え方法
「ホロカード(HOLO card)」を使えば、乗車後2時間半以内の乗り換えが追加料金なし(無料)で可能です。また1日の乗車料金の上限が大人$7.50、6~17歳の子供$3.75に設定されており、乗車後2時間半を超える乗り換えを1日に3回以上しても上限を超える金額が引き落とされることはありません。この最大料金のことを「フェアキャップ」と呼び、1ヶ月間、1年間の利用についても同様のフェアキャップが設定されています。
なお、以前はザ・バスに現金払いで乗車後に2時間以内なら2回まで無料で乗り換えの使える紙製の「トランスファー・チケット」というものがありましたが、2017年10月1日をもって廃止されています。
時刻表は公式アプリで確認
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日本語に対応しているザ・バスのスマートフォン用公式アプリ「DaBus2(ダ・バス 2)」をスマートフォンのGPS位置情報機能をONにして使うと、最寄りのバス停がわかります。
またマップ上に表示されたバス停をタップし、続いて「最新到着案内」をタップすると、そのバス停の時刻表とバスの接近情報がわかります。
さらに接近情報の一覧から乗車希望のバスの欄をタップするとそのバスの現在地とルートがわかる、便利なアプリです。
紙の時刻表が欲しい場合
紙に印刷された路線別の時刻表はABCストアの一部店舗やアラモアナセンター1階のゲストサービスセンター、ワイキキのエバホテルワイキキ、ロイヤルグローブホテル、ウェイファインダーワイキキ(旧ワイキキサンドビラホテル)、ワイケレプレミアムアウトレットなどで配布されています。
配布場所によって時刻表のラインナップに違いがありますので、ザ・バスの公式サイトで確認してから訪れるようにしてください。
車内での注意点
車内は飲食禁止
ホノルル市の条例により、車内で食べ物や飲み物を口にすることは禁止されています。またアルコール類を飲むことや電子タバコを含む喫煙、事故防止の観点から走行中の席の移動も禁じられています。なおこれは禁止事項ではありませんが、濡れた衣服や水着での乗車はエチケット・マナー違反ですのでビーチ帰りにはご注意ください。
持ち込める荷物は座席に収まる大きさまで
膝の上に乗せられる(座席に収まる、または足の下のスペースにしまえる)大きさを超えるサーフボードやスーツケース、ゴルフセットなどは車内に持ち込めません。またベビーカーは折りたためるタイプであれば問題ありません。自転車は持ち込み不可ですが、車両によっては車体の外壁に設けられた専用ラックに乗せて運べる場合があります。
優先席の使用は適切に
車内の前方に設けられている優先席は、高齢者や車いす使用の方、障害者や身体の不自由な方、妊婦や乳幼児を連れた方向けのものですので、基本的には座らないようにしましょう。また車いすの方が乗り降りする場合、車体が低くなってドアの下からスロープが出されますが、その際は必ず車いすの方を優先して乗降させてあげるようにしてください。
ザ・バスを乗りこなそう!
もしあなたがザ・バス初心者でもどうかご安心ください。その利用の仕方は驚くほどシンプルで、誰でも簡単に活用できます。円高や物価高の影響で節約可能な旅費はできるだけ削りたいと考えている皆さんにもザ・バスはおすすめ!素晴らしいハワイ旅行の思い出にもなってくれることでしょう。