ハワイの火山を見に行こう!ハワイ在住者が教える、ハワイの火山の見どころ10選
火山活動によって形成されているハワイ諸島。その始まりはなんと、7000年以上も前。観光スポットとして、世界中の人を魅了するハワイの火山は、種類や背景もさまざまです。この記事では、ハワイの火山の特徴と、ハワイ火山国立公園のおすすめスポット10選をご紹介します。
ハワイの火山の種類と歴史
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ハワイの火山は、景色を特徴づける壮大な盾状火山(伏せられた盾のような形の火山)として良く知られています。活火山はハワイに6つあり、盾状火山だけでなく、活動的で国立公園を彩る噴石丘まで個性豊かです。ハワイの山々の美しさを直接目にすると、不思議と、大自然から生のパワーを感じることができるでしょう。
キラウエア火山
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ハワイ島南東にあるキラウエア火山は、世界で最も活発な火山の一つで、世界遺産として登録されています。ほぼ2年に一度のペースで噴火し、2018年5月の噴火時には、地域住民の家が溶岩にのみ込まれるなど、大きな被害がありました。マウナ・ロア火山と隣接していますが、それぞれマグマの仕組みが違うため、別の山として存在します。
マウナ・ロア火山
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マウナ・ロア火山は、地球上で最大の活火山です。その大きさは、基底から火山の頂上までが約 17 kmという高さだけではありません。ハワイ語で「長い山」を意味する「マウナ ロア」の名の通り、“ビッグアイランド”と呼ばれるハワイ島の半分を占めるそうです!
マウナ・ケア火山
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マウナ・ケアが最後に噴火したのは、約4000年前。盾状火山ですが、頂上に噴石丘があるため、マウナ・ロアより35メートルほど高い火山です。ハワイ語で「マウナ ケア」は「白い山」を意味するとおり、頂上では雪が降るため、ハワイで唯一雪が見られる場所としても知られています。世界最大の展望台があります。
カマエワカナロア海山(旧称ロイヒ海山)
カマエワカナロア海山は、世界でも有数な海底火山として知られています。山の頂上はハワイ島の南東にあり、ハワイの次の島として形成されるのを期待されていますが、水面からの頂上は、まだ水深1000メートル。頂上が水面から顔を出し、新しい島として形成されるには、噴火の状況によって20万年もかかるそうです。2021年に「ロイヒ海山」から「カマエワカナロア海山」に変更されています。
ハレアカラ火山
マウイ島で唯一の活火山で、最近では約 400年前に噴火しました。観光目的の一般車で、曲がりくねった道を頂上まで行くことができます。「ハレアカラ」が「太陽の家」をあらわすように、頂上では美しいサンライズ(日の出)やサンセット(日の入り)が望めます。サンライズを見るためには、ハレアカラ国立公園への入場予約が必須ですが、サンセットは予約不要です。
フアラライ火山
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フアラライ火山は、ハワイ島で3番目に新しい火山で、マウナ・ロア火山やキラウエア火山ほど噴火が頻繁ではありません。ハイキングコースとして人気で、山の噴火口を探索して溶岩洞を登るなどが体験できます。カイルア・コナ国際空港は、フアラライ火山が噴出したときの溶岩流の上に建てられています。
世界遺産、ハワイ火山国立公園を楽しもう!おすすめスポット10選
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ハワイ火山国立公園は、ヒロ国際空港から車で45分ほど、カイルア・コナ国際空港からでも2時間ほどと、ハワイ島の自然を眺めながらドライブがてらアクセスできるのも、魅力の一つ。地球上で、最も活発な2つの楯状火山であるマウナロアとキラウエアの一部が含まれている広大な公園のため、見どころがたくさん!その中から、厳選した10の楽しみ方をお伝えします。
キラウエア ビジターセンター
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まず最初に立ち寄りたいのが、ビジターセンターです。こちらで、公園を紹介する25分間の動画を観ることをおすすめします。地図を入手したり、公園でのハイキングや噴火の最新の情報も知ることができます。営業時間は午前9:00から午後 5:00で、英語でのガイド付きツアーもここで予約できます。
キラウエア・オーバールック(展望台)
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キラウエア・カルデラや、2018年の噴火で大きく崩れたハレマウマウ・クレーターが一望できます。簡単なトレイルを楽しむこともできますし、展望台からクレーターを見るだけでも、その大きさに圧倒されます。駐車場は多く止められるので常に混雑していますが、ドライブがてら立ち寄って写真を撮るなど、日中も夜も短時間でも楽しめます。
サーストン溶岩洞
キラウエア・イキの駐車場近く、シダの森を20分ほど歩くとサーストン溶岩洞があります。昼間は溶岩洞がライトアップされます。午後8時から午前8時までは消灯されますので、真っ黒な溶岩洞を体験したい人は夜に行ってみてください。パークレンジャーによると、夜間は携帯電話のライトでなく、ヘッドランプや懐中電灯のほうが良く見えて楽しめる上、安全だということです。
キラウエア・イキ・トレイル
ダイナミックなアメリカ国内の国立公園の中でも、ファンが多いトレイル。植物が多く、さまざまな地質を体験しながらクレーターの中へと降りていき、サーストン溶岩洞とセットで楽しめることが魅力です。ループ式のコースで、おすすめは反時計回り。コース全体で約6.5㎞、所要時間は2-3時間です。
ボルケーノハウス
1877 年に建てられた歴史的なボルケーノハウスでは、宿泊することができます。客室、キャビン、キャンプ場があり、滞在や軽食を楽しむのに最高の隠れ家です。テントのレンタルもあるので、火山でのキャンプ体験をぜひ!マーク・トウェインとフランクリン・D・ルーズベルト大統領が訪れたことでも有名です。
ボルケーノアートセンター
地元アーティストのハンドメイドの絵画や彫刻などを販売しており、ギャラリーは、ボルケーノハウスのホテル内にあります。1974年にアーティストによって設立された非営利の教育組織で、料理やクラフト、子どもたちが参加できる有料のワークショップも人気です。ハワイの自然を感じられるアートは、迫力と繊細さが共存してユニークなので、おみやげや旅の思い出にもピッタリです。
サルファー・バンクス:硫黄堤防
サルファー・バンクス:硫黄の堤防と呼ばれるように、硫黄を発生する火山ガスが地表に立ち込めています。硫黄ガスによって、溶岩から粘土に分解された、赤や茶色など色とりどりの堆積物も有名です。キラウエアビジターセンターから往復2kmと、簡単なトレイルとしても楽しめます。
ケアナカコイ・オーバールック(展望台)
キラウエア・オーバールックからよりも、溶岩の噴出と溶岩湖がきれいに見えると人気です。溶岩の影響でクレーター全体がオレンジ色に染まるのが見えます。往復3.2kmほどの平坦なトレイルなので、サンセットの時間もまた、違う楽しみとなります。
カフク・ユニット
かつてはハワイ最大の牛牧場の 1 つであり、150 年以上にわたって牛肉と皮を生産していたカフク牧場では、地球上で最大の火山の斜面にある、なだらかな田園風景がとてもきれいです。混雑していないため、ゆったりとした雰囲気を楽しめますが、さまざまなトレイルもあるのでアクティブに探索できます。月曜から水曜がお休みです。
チェーン・オブ・クレーターズ・ロード
チェーン・オブ・クレーターズ・ロードは、熱帯雨林や、黒くなった溶岩流と海岸線のコントラストが美しい、絶景を見渡せるドライブコースです。噴火の度に変化するその景色は、車を走らせて見るだけではもったいないほどです。終点までは30kmほどで、売店やガソリンスタンドはありません。
ハワイの火山の楽しみ方、注意点
ハワイの火山は個性がさまざまで、ハワイ火山国立公園の中だけでも見どころ満載です。ここでは、そんなハワイの火山ならではの楽しみ方と注意点を、体験を交えてお伝えします!
火山の楽しみ方
サンライズとサンセット観測
ハワイでは昔、無事に漁ができることや自然の恵みを太陽に感謝していました。現代でもハワイの人たちにとって、サンライズとサンセットは生活の中の大切な瞬間です。
火山では、マウナ・ケアの頂上で、サンライズを見ることができますが、予約が必要です。サンセットは予約なしでも行け、ハワイの夕日が完全に沈んだ後には、満点の星空までも見られるので、ぜひ真っ暗になるまで待ってみてください!他の火山でも24時間で解放されている場所では、日の出と日の入りの時間に合わせてトレイルを楽しむことができます。
月や星の観測
ハワイで星空なら、天の川(ミルキーウェイ)が見られる夏の時期が断然おすすめ!周囲が暗ければ暗いほど、一つ一つの星の大きさの違いもわかり、星が近く感じます。目の前に広がる夜空に吸い込まれそうになります。ツアー会社が提供するツアーが多くありますが、一般車で行くこともできます。
ハワイ火山国立公園では、タイミングによって、月と溶岩というコラボレーションが見られ、自然のパワーを感じることができるでしょう。マウナ・ケア頂上での星空観測は、ツアー会社のツアーでのみですが、途中のオニヅカビジターセンターまでは、ご自身の運転でレンタカーで行くことができます。センターでは温かいココアや、お土産にしたい火山のグッズの他に、宇宙食など面白いものもあります。ぜひ、星空と合わせて見てみてください!
トレイル
火山のトレイルは、ハワイ火山国立公園だけではありません。ハワイ火山国立公園の中だけでも、先ほどご紹介したものを含めて、10以上のコースがあります。マウナ・ロア火山の斜面にあるカパパラ森林保護区では、バードウォッチングをしながらのトレイルが楽しめます。中級者以上におすすめは、プウ・ワアワア森林保護区内のトレイル。軽めのブーツが必要ですが、丘の上からは、なんと、マウナ・ケア、マウナ・ロア、フアラライの3つの火山を一望することができます!
歴史や自然にまつわるお話も
歴史や言い伝えなどを知っておくと、トレイルや観測をより深く楽しむことができます。ハワイの歴史といえば、カメハメハ大王の存在が欠かせませんが、火山や自然にまつわるハワイの神話も有名です。その一つに、火と火山の女神「ペレ」の物語があります。噴火が起こると、住民たちは「ペレの怒り」と尊重し、自然と共存しています。また、マウナ・ケア火山には、ある4姉妹の物語があり、なかでも「雪の神」である「ポリアフ」は、マウナ・ケア火山に住んでいると言われ、マウナ・ケアに雪を降らせています。
イベントやレンジャープログラム
ハワイ国立公園では、ハワイの日系アメリカ人コミュニティの伝統と文化のシンボルである和太鼓の演奏イベントがあります。また、レンジャーと一緒に800mほど山頂を探索しながら、地質学、生態学からハワイの文化などが学べるプログラムがあります。説明は英語のみですが、予約不要で気軽に参加できるので、ご家族やグループにおすすめです。
火山について地形的な前情報を
私たちが見る火山は常に地表だけですが、火山はそれぞれ、度重なる噴火で長い年月をかけて、現在の形ができあがっています。目的の火山の特徴を事前に知っておくと、さらに満足感の高い時間となります。
ハワイの火山観光の注意点
ハワイの火山は人気の観光スポットですが、壮大な自然を安心安全に楽しむために、そして、ハワイの自然を保護するために注意すべきことがあります。
動きやすい服装と飲み物を
安全に動けて肌を守れる服装にしましょう。火山ではちょっとしたスポット訪問のつもりでも、足場はごつごつしていたり、森林では植物の枝が飛び出していることが多いです。また、お店がどこにでもあるわけではないので、ドライブだけでも水分などの持参は忘れずに。
暖かい服装とつま先が覆われる靴で
年中常夏のハワイと言っても、火山は寒いです。特に夜は、6月から8月などの夏でも、厚手のセーターやジャケットが一枚あると、凍えずに散策ができます。足元は、スニーカーなどつま先が隠れるものが安心です。
正確な最新の情報をチェック
火山の状況は日々変化します。行く前には必ず公式情報を見逃さないようにしてください。
噴火などがなくても、シーズンや自然の状況によって、営業時間が変更されたり、予約必須や入場禁止になるなどあります。
ハワイの自然と人、土地への思いやりを
同じように火山を訪問している他の人たちや、施設スタッフ、地元の人の生活を尊重し、土地や自然に敬意を払うことを心がけましょう。
ハワイの火山を見て、ハワイの歴史を知ろう!
ハワイの火山はそれぞれ個性があり、どれも魅力的です。見どころや楽しみ方も、目的によってさまざまですので、選ぶのが大変かもしれません。
ぜひ、歴史や神話、火山の成り立ちと一緒に、ハワイの火山を探索をしてみてください!