ハワイの英雄。カメハメハ大王の生涯と偉大なる功績
ハワイの歴史を語る上で最も重要な人物とも言えるカメハメハ大王。ハワイ諸島を統一し、ハワイ王国を建国した初代の王であるカメハメハ1世の歴史についてご紹介します。
ハワイの歴史に欠かせない人物「カメハメハ大王」
カメハメハ大王と呼ばれるカメハメハ1世はハワイ諸島を初めて統一し、1810年にハワイ王国を建国して初代国王となった人物です。「カ・メハメハ」とはハワイ語で「孤独な人」や「静かな人」を意味します。ハワイ島の首長であったカラニオプウの甥にあたり、1758年にハワイ島で生まれたとされていますが、当時のハワイには文字が存在していなかったため、生年は憶測であり諸説あります。
カメハメハ大王の生涯
カメハメハ大王によるハワイ諸島統一
18世紀末ハワイの島々では各地の王による土地争いが行われていました。そんなハワイに初めて上陸した外国人が、イギリス人の海軍士官であり海洋探検家であったジェームズ・クックです。ジェームズ・クックと出会ったカメハメハ大王は西洋の武器や知恵を手に入れ、ハワイ諸島統一へ向けて動き出します。カメハメハ大王は大砲や銃を用いてハワイ島を制圧し、続いてマウイ島とオアフ島の二島を制していたカヘキリという王の軍隊を破り、1795年にハワイ王朝の樹立を宣言しました。その後カウアイ島に攻め入ろうとしますが嵐や疫病で実現せず、最終的にはカメハメハの要求を受け入れてカウアイ島の王であったカウムアリイが降伏し、1810年にハワイ諸島が統一されてハワイ王国が誕生しました。
カメハメハ大王の外交政策
カメハメハ大王は身長約2mの恵まれた体格で、武術にも知力にもすぐれた圧倒的なカリスマ的存在でした。優れた外交手腕でイギリスやアメリカ合衆国などの西洋諸国との友好関係を維持しつつ、ハワイの独立を守って伝統的な文化の保護とハワイの繁栄に貢献しました。カメハメハ1世が作った「ママラホエ」と呼ばれる法律は、戦争中の非戦闘員の人権を保護するもので、現在では人権法のモデルとして世界中で受け入れられています。中国へサンダルウッド(白檀)を輸出してハワイ王国の経済的基礎も築きました。
毎年6月11日はキング・カメハメハ・デー
photo by Hawai'i State Foundation on Culture and Arts
ハワイでは6月11日はキング・カメハメハ・デーの祝日です。ハワイ王国建国の父であるカメハメハ大王の生涯を祝うハワイ州の祝日で公共機関がお休みになります。前後の週にハワイ各地でパレードやコンサートの記念行事も催されるとても華やかな祝日です。カメハメハ大王の孫であるカメハメハ5世の時代の1871年に制定されましたが、ハワイがアメリカ50番目の州になった1959年以降キング・カメハメハ・デーは州の公式な祝日として認定され、今もなお盛大に行事が行われています。
キング・カメハメハ・セレブレーション
キング・カメハメハ・セレブレーションはカメハメハ大王を称える祭事で毎年6月11日のキング・カメハメハデーの前後にハワイ全土で開催されます。レイ・ドレーピング・セレモニーでは、カメハメハ大王の銅像に4mもの長さの豪華なレイがかけられます。
フローラル・パレードではハワイのカラフルな花々に装飾された山車に乗った王や王妃、そしてパウライダーと呼ばれる騎馬隊が伝統的な衣装をまとい、イオラニ宮殿からカピオラニ公園まで7kmほどの距離を4時間かけて移動します。この時期にハワイに滞在されている方はワイキキでパレードの様子を見ることができますので是非ご覧になってください。
3体のカメハメハ大王像
ハワイにはオアフ島に1体、カメハメハ大王の生まれたハワイ島に2体、計3体のカメハメハ大王像が建てられています。アメリカの首都ワシントンDCのキャピタルビルのビジターセンターにもホノルルの大王像のレプリカが展示されています。
【オアフ島】ホノルル
オアフ島ホノルルにあるカメハメハ大王像。ワイキキからは車で15分ほどのダウンタウンにあり、イオラニ宮殿の向かい側に建てられています。大王像の台座にはカメハメハ大王の生涯において象徴的な出来事の4枚の銅版画があります。この大王像が建てられたのはハワイが王国であった1883年。実はこの銅像は当時ハワイ王国第7代国王であったカラカウア王の副官だった王族をモデルに作られたと言われています。
【ハワイ島】カパアウ
ホノルル空港からハワイ島のコナ空港まで45分。コナ空港から1時間ほどのカパアウにある大王像が最初に作られた大王像です。1880年にイタリアのフィレンツェで作られた大王像をホノルルまで運ぶ船が沈没。 代わりの大王像がオアフ島ホノルルのダウンタウンに建てられました。しかし1912年に海に沈んだ最初の大王像が発見されたため、大王像は修復された後カメハメハ大王の生誕地近くであるこの場所に設置されました。
【ハワイ島】ヒロ
ホノルル空港からハワイ島のヒロ空港まで約1時間。ヒロ空港から10分ほどのワイロア州立公園にあるカメハメハ大王像は1997年に建てられ、ハワイ州にある大王像の中でいちばん新しい像です。像の高さは4.2mでハワイ州にある3体の像の中で最も大きな像です。元々この大王像はカウアイ島に設置される予定でしたが、カウアイ島はカメハメハ大王の制圧に屈しなかった島であり、住民から反対の声が多かったことからハワイ島のこの場所に建てられました。
カメハメハ大王からハワイの歴史を知る
ハワイの歴史を語る上で欠かせないカメハメハ大王。ハワイの中に3体も大王像があることから、ハワイの人たちから親しまれていることがわかります。ホノルルのカメハメハ大王像はハワイ旅行中にアクセスしやすいので、是非実物をご覧になってくださいね。