ハワイに電車は通ってる?スカイラインの乗り方や料金を解説
ハワイに電車は通っている?と疑問に思っている人も多いでしょう。それもそのはずで、長い間ハワイには鉄道が通っておらず、車での移動が基本となっていたからです。そんなハワイに2023年、モノレール「スカイライン」が開通しました。今回はスカイラインについて解説します。
そもそもハワイに電車はある?
photo by City & County of Honolulu
以前は「サトウキビ列車」が通っていた時代もありましたが、1947年にサトウキビ列車が廃線となったのちはハワイに電車が走っていませんでした。2023年6月30日(金)、スカイラインという高架鉄道、いわゆるモノレールが開業し、約75年ぶりにハワイの公共交通機関としての電車が開通したのです。
スカイラインが開通した理由の一つは、交通渋滞問題を解決すること。たとえば、車で空港からワイキキビーチまでは約20分ですが、朝夕の混雑時は1時間以上かかることもあります。しかしスカイラインなら、約15分で移動が可能です。
全線開通まではまだ先の話ですが、車が減れば、二酸化炭素の削減に繋がります。ハワイが直面している環境問題の対策にも寄与します。
2023年6月30日に開通
ハワイ電車(スカイライン)は、オアフ島西部のカポレイ地区とアロハスタジアムの間を結ぶ路線が2023年6月30日(金)に公共交通機関の電車として初めて開通しました。
開業時のルートは、オアフ島西部のカポレイ地区とアロハスタジアムの間を結ぶ西側の区間。その後も建設工事は続行され、2025年にはダニエル K イノウエ国際空港までの区間、2031年にはダウンタウンまでの区間が開通予定となっています。
スカイラインのルート・路線図
photo by City & County of Honolulu
スカイラインは、人口が集中するオアフ島南側西部の一部地域から郊外までを結んでいます。
開業時のスカイラインの出発点は、都心側で起点となっている「ハラワ」駅。その駅の近くにあるアロハスタジアムは、巨大なフリーマーケットが定期的に行われている会場で「スワップミート」と称されています。古くから観光ガイドブックにも載っている有名なスポットです。また、スワップミートの徒歩圏内には、パールハーバー(真珠湾)攻撃で沈んだ戦艦アリゾナ号を見られる「アリゾナ記念館」があります。
ハラワ・アロハスタジアムを出発した列車は、幹線道路「カメハメハ・ハイウェイ」に沿ってつくられた高架上を走ります。左手遠くにパールハーバーの光る海原が車窓から見えるでしょう。
最初の「カラウアオ/パールリッジ」駅を過ぎ、次の「ワイアワ/パールハイランド」駅あたりまでは、開けた人口集中地帯がパールハーバー沿いに開けています。ワイアワの駅前にそびえる47階建てのツインタワーマンションは迫力満点です。
人口の多いワイアワ駅に続き、列車はハイウェイの合流地点に築かれた「ハーラウラニ/リワードコミュニティカレッジ」駅に着きます。この駅は、リワードコミュニティカレッジ(ハワイ大学付属短大)の最寄り駅です。
次の「ポウハラ/ワイパフトランジットセンター」も4万人以上の人口を持つワイパフの街につくられた駅で、駅前には「The Bus」のターミナルがあります。
ポウハラの次に現れる駅は「ホーアエアエ/ウェストロッホ」です。ホーアエアエ駅を出ると、突如として赤っぽい土の耕地が一面に現れ、一瞬にして車窓は“都会”から“郊外”へ。次の「ホノウリウリ/ホオピリ」駅周辺にも耕地が広がります。
一方でその次の「ケオネアエ/ハワイ大学ウエストオアフ」駅は主要道路の交差点上につくられており、ハワイ大学ウエストオアフ校の新しいキャンパスの最寄り駅として、駅前住宅開発も進んでいるようです。開業時の終着駅は「クアラカイ/イーストカポレイ」駅。これで約22分にわたるスカイラインの旅は終了です。
空港は通ってる?
現在スカイラインは、ダニエル・K・イノウエ国際空港までは開通しておりません。建設工事は続行されているので、2025年にはアロハスタジアムから東側にあるダニエル・ K・ イノウエ国際空港までの区間が開通予定です。
空港まで開通すれば、The Busで駅まで移動する必要がなくなります。交通渋滞に巻き込まれて飛行機に乗り遅れるといったトラブルを避けられるでしょう。
スカイラインの運行時間
月曜~金曜 |
5:00〜19:00 |
土曜・日曜 |
8:00〜19:00 |
祝日 |
8:00〜19:00 |
現在開通しているハラワ駅~クアラカイ駅は片道22分で、10分間隔で運行しています。なお、駅によって始発や最終電車の時間が異なる点に注意が必要です。通常営業の場合、クアラカイ駅の最終電車は18:50、ハラヴァ駅は18:55です。どの駅も19:00前に最終電車が出発します。ただし、特殊なイベントが開催される場合は21時台まで運行する場合もあるようです。
スカイラインの乗り方・料金
乗り方
photo by City & County of Honolulu
スカイラインに乗車するには、「ホロカード」というプリペイドカードが必要です。ホロカードはタイムスやABCストア、フードランドといったスーパーなどで購入できます。また、駅にある機械ではホロカードの購入とチャージが可能です。
ホロカードへの入金が完了したら、改札でホロカードをタップして入場。ベビーカーも通れる広い改札や、車椅子利用者用向けに低い位置にカードリーダーが付いている改札もあります。
改札を抜けたら階段、またはエレベーターやエスカレーターでプラットホームへ移動します。スタジアムからカポレイ方面へ向かう西行きの路線は「ウエストバウンド」、カポレイからスタジアム方面へ向かう東行きの路線は「イーストバウンド」です。
自分の行きたい方向のホームで電車が来るのを待ち、ホームに列車が到着したら乗車します。
運賃
片道料金
大人(18歳以上) |
$3.00 |
青少年(6〜17歳) |
$1.50 |
幼児(5歳以下) |
1人まで無料(幼児2人で子ども1人分) |
シニア(65歳以上) |
$1.25 |
ワンデーパス
大人(18歳以上) |
$7.50 |
青少年(6〜17歳) |
$3.75 |
幼児(5歳以下) |
1人まで無料(幼児2人は子ども1人分:$3.75) |
シニア(65歳以上) |
$3.00 |
スカイライン乗車時の注意点
photo by City & County of Honolulu
注意点としては、基本的に日本での乗車ルールと同様なので、一般的なマナーを守っていれば問題ありません。使役犬の盲導犬なども乗車可能です。
スカイラインの車内で特に注意すべきなのは、飲食、携帯電話の使用(サイレントモードに設定時はOK)、1人で1席以上の占有、ゴミのポイ捨て、喫煙などが禁止されている点です。音を発する機器を使うときは、イヤフォンの使用が必要となります。
さらに、スカイラインの駅では安全上の理由から、乗客は自由にトイレを使えません。使用したい場合は駅員へ依頼する必要があります。
ハワイの電車「スカイライン」を有効に使おう
ハワイに新しく開通した電車「スカイライン」の魅力は、ホロカード1枚で手軽に乗降車でき、約17kmを22分という短時間で移動できる点です。運転席もなく窓も大きいので、高架上からのパノラマ風景の移り変わりを観賞するという乗り方もおもしろいかもしれません。スカイラインに乗るときは、ぜひワンデーパスであちこち行ってみてくださいね。