誕生から滅亡まで。ハワイ王国の歴史を振り返る
ハワイはアメリカ合衆国で最も新しい50番目の州です。州になる以前は独立した王国で、アメリカの中でもかつて王国であった州はハワイ州だけです。ハワイ王国の誕生から滅亡までの歴史と、今もなおハワイで訪れることができる王国時代のスポットをご紹介します。
日本とハワイ王国の関係
ハワイ王国は砂糖産業が拡大したため、サトウキビ農園や製糖工場で働く労働者を確保するために諸外国から移民の受け入れを開始しました。明治元年(1868年)に日本人が初めてハワイのサトウキビ農園で働くために移住し、彼らは元年者と呼ばれています。中国やポルトガルなど様々な国からの移民もいましたが、日本人移民が一番多く、1868年から1924年までの間に約22万人がハワイへ移住しました。移民の多くはハワイに定住し、日系アメリカ人としてハワイ社会の基礎を作り上げていきました。
ハワイ王国7代目の王であったカラカウアは日本を初めて公式に訪問した国王でもあります。外国元首の初来日であったため、横浜港でカラカウアが作詞したハワイ王国の国家「ハワイ・ポノイ」の演奏で歓迎をうけ、手厚く迎え入れられました。「ハワイ・ポノイ」は現在はハワイの州歌として祭典や学校などで歌われ、親しまれています。
日本では人気の海外旅行先であるハワイですが、実は昔から日本人移民や王の来日など、昔からハワイと日本は強い繋がりがありました。
ハワイ王国ゆかりの観光スポット5選
イオラニ宮殿
住所 |
364 South King Street, Honolulu, HI 96813 |
電話 |
808-522-0822 |
開館時間 |
9:00〜16:00 |
閉館日 |
日曜、月曜、祝日 |
アクセス |
ワイキキからuberまたはタクシーで15分ほど$20前後 |
入館料 |
オーディオツアー 大人$26.95 ドーセントツアー 大人$32.95 (共に小児料金あり) その他も複数ツアーがあり、公式サイトより予約可能。 |
URL |
ハワイ王国8代目の女王、リリウオカラニが8ヶ月の間幽閉されていたアメリカ合衆国唯一の宮殿です。カラカウア王の時代にハワイ王国の繁栄を象徴するかのように、内線電話や水洗トイレ、照明設備まで当時の最新の設備が導入されました。ハワイ王国滅亡後はしばらくハワイ共和国庁舎としても使われていました。正面から見て2階の右端の角部屋に女王が幽閉されていました。ハワイの歴史を知った後に訪れると、さらに深くハワイを感じられるスポットです。
カメハメハ大王像
住所 |
417 South.King Street, Honolulu Honolulu, HI 96813 |
アクセス |
ワイキキからuberまたはタクシーで15分ほど$20前後 |
入場料 |
無料 |
1810年にハワイ諸島を統一してハワイ王国を築いたカメハメハ大王(カメハメハ1世)の銅像はホノルルのダウンタウンにあります。イオラニ宮殿の向かい側にあり、観光スポットとして訪れる人も多い場所です。背後の建物はハワイ州の最高裁判所。実はカメハメハ大王像はハワイに3体あり、ハワイ島のカパアウの町、同じくハワイ島のヒロにあるワイロアリバー州立公園にも建てられています。ハワイ以外ではワシントンDCの国会議事堂にも展示されています。ハワイの歴史を大きく変えたカメハメハ大王、像の台座には王の生涯の主な出来事を記した4枚の銅版画がはめ込まれていますので、是非ご覧になってください。
リリウオカラニの銅像
住所 |
415 South Beretania Street, Honolulu Honolulu, HI 96813 |
アクセス |
ワイキキからuberまたはタクシーで15分ほど$20前後 |
入場料 |
無料 |
ハワイ王国8代目、最後の女王リリウオカラニの銅像もホノルルのダウンタウン、ハワイ州庁舎とイオラニ宮殿の間に設置されています。女王の左手には女王の代表的な楽曲「アロハ・オエ」の楽譜、ハワイ創生記の神話「クムリポ」、そして「ハワイ王国を取り戻す新憲法」が握りしめられています。王国が滅亡し、退位したことから悲劇の女王とも呼ばれるリリウオカラニの銅像は、自身が幽閉されていたイオラニ宮殿に背を向けて建てられています。
カピオラニ公園
住所 |
3840 Paki Ave, Honolulu, HI 96815 |
アクセス |
ワイキキから徒歩圏内 |
入場料 |
無料 |
カピオラニ公園はハワイ州で最大、二番目に古い公園です。ワイキキからは徒歩で行け、ハワイの人たちの憩いの場でもある公園は8代目のカラカウア王の妃であったカピオラ二王妃の名前が付けられています。ハワイ王国の時代には競馬場であり、裕福な限られたごく一部の人たちだけが競馬やポロを楽しむ場所でした。今でも当時に整備されたアイアンウッドを輸入して作られた並木道はそのまま残っています。
ハワイアン・ミッション・ハウス
住所 |
553 South King Street, Honoulu, HI 96813 |
電話 |
808-447-3910 |
開館時間 |
10:00〜16:00 (予約推奨) |
閉館日 |
日曜、月曜 |
アクセス |
ワイキキからuberまたはタクシーで15分ほど$20前後 |
入館料 |
大人$20 学生(6才〜大学生)$10 英語のみのツアーがあり、公式サイトより予約可能。 |
URL |
1820年、ハワイに初めて訪れたキリスト教宣教師たちの住居跡で、住居の他に作業場や倉庫の一部も保存されています。宣教師たちは布教活動だけでなく、印刷や農業の技術、そして文字をハワイにもたらしました。ハワイのお土産としても人気のハワイアンキルトも宣教師たちが持ち込んだパッチワークが原型となっています。王国であったハワイに西欧人の宣教師たちがもたらした影響はとても大きかったといえます。ハワイの歴史を知った上で訪れてみると、様々な角度からハワイのことを知れるかもしれません。
ハワイの歴史を振り返る
ハワイ旅行中、ハワイがかつては王国であったことを意識して滞在している方はあまりいないかもしれません。これだけ独自の歴史と文化があり、日本とも関わりの深いハワイ。当時の様子に触れられる場所があるので、ハワイの歴史を知った上で是非足を運んでみてはどうでしょうか。