音色に癒される。ハワイアンミュージックの歴史とジャンルを知る
ハワイといえば常夏の島。海辺でのんびり過ごしたり街中を散策していると、どこからともなく聞こえてくるのがハワイアンミュージックです。この記事では、癒しの音色を持つハワイアンミュージックについて、その歴史やジャンル、有名なアーティストなどをご紹介します。
ハワイアンミュージックとは
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ハワイアンミュージックとは、ウクレレやスラックキーギターとともにハワイ語で歌われる曲のことを指します。スローからミディアムテンポのものが多く、メジャーコード、長頭で作られている楽曲がほとんど。しかし、ハワイアンミュージックの定義は緩く、ハワイ語ではなくてもハワイのことを歌っている曲や、ハワイ発祥の音楽に影響を受けた楽曲のことをハワイアンミュージックと呼ぶ人もいます。また、時代によって、どんな曲をハワイアンミュージックと呼ぶのかが変わっている背景もあるのです。
ハワイの音楽の歴史
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ウクレレやスラックキーギターを用いてハワイ語で歌われるハワイアンミュージック。実際にハワイアンミュージックはどのような歴史をたどってきたのでしょうか。ここでは、ハワイアンミュージックを3つの時期に分けて、それぞれの時期の特徴についてご紹介します。
初期
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およそ1000年前にハワイへ住み始めたネイティブ・ハワイアン。彼らは文字を持たなかったため、口承文化を発達させました。そのひとつがチャント(詠唱)と呼ばれるハワイアンミュージック。チャントでは神話や自然環境、恋愛物語の伝説、詩など様々なジャンルについて詠い、娯楽だけでなく教育の手段としても使われていました。チャントを詠う歌い手はチャンターと呼ばれ、何世紀にも渡って伝承されてきた数々の物語を完璧に詠うことができたそうです。また、チャントとともにハワイアンミュージックに欠かせないフラも踊られていました。手足の動き一つひとつに意味があるフラは、チャントの内容をパントマイムで伝える役割もあったといわれています。
中期
1778年、 キャプテン・クックがイギリスよりハワイへ上陸し、これ以降ギターやウクレレといったハワイアンミュージックに欠かせない楽器が相次いでハワイへ伝来します。ハワイのカウボーイがネイティブ音楽に合わせたギターの独自の奏法を編み出し、それが現在のスラックキーギターとして知られるようになりました。ヨーロッパなどからの移民が持ち込んだキリスト教の讃美歌や、ギター、ウクレレといった楽器が古来の音楽と融合し、現在のハワイアンミュージックにもつながっています。また、1800年代後半にはドイツからの音楽家によって、それまで讃美歌の影響を受けていたハワイアンミュージックに、世俗音楽が取り入れられるようになりました。
現代
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「アロハ・オエ」などを代表とする、現在のハワイアンミュージックの形が出来上がったのは19世紀後半と言われています。20世紀に入り、レコーディング技術向上のおかげでハワイアンミュージックが海を渡り、アメリカ本土でも人気を博しました。しかし、1959年にハワイがアメリカの州になったことをきっかけにアメリカンポップ、ロックに人気が傾き、ハワイアンミュージックは観光客向けの音楽として扱われるようになり、一時衰退するに至ります。1970年代になると「ハワイアン・ルネッサンス」と呼ばれるハワイアンミュージックの黄金時代がやってきて再びハワイアンミュージックの人気が復活。その後、ハワイの文化と現代音楽の要素を取り入れ融合させながら数々のアーティストが名曲を生み出し、現在に至ります。
ハワイの音楽の主なジャンル
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ハワイアンミュージックには長い歴史があり、その推移の中で様々なジャンルの音楽が生まれました。西洋やアメリカ本土からの情報や技術の伝来に影響を受けながら現在でも歌われている、ハワイアンミュージックの代表的なジャンルについてご紹介します。
アイランド・コンテンポラリー
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ハワイアンミュージックの代表的なジャンルとして挙げられるのがアイランド・コンテンポラリー。伝統的なハワイアンミュージックに近くも、現代的なアレンジを加えて聞きなじみの良いようにアレンジされたものです。わたしたちみんなが思う典型的なハワイアンミュージックに近く、若い世代から年配の方まで幅広く愛されています。
代表的な曲・アーティスト
・ドン・ホー
・ネイサン・アウェアウ
・ケオラ・ビーマー
・ウェルドン・ケカウオハ
・イズラエル・レイシェル
・ケアリイ・レイシェル
コンテンポラリー
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コンテンポラリーとは、その名の通り現代的なハワイアンミュージックのことを指します。ロックやポップス、R&Bやブルースなどといったジャンルと融合した音楽で、現代的な音楽のリズムやメロディラインでありつつ、ハワイアンの雰囲気を残したものが多いのが特徴です。
代表的な曲・アーティスト
・ジャック・ジョンソン
・カラパナ
・マカハ
・ジョン・クルーズ
・ジャスティン・ヤング
レゲエ(ジャワイアン)
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1980年代から人気を博したジャマイカのレゲエとハワイアンミュージックを組み合わせたレゲエは、別名ジャワイアンともいいます。リズムはレゲエ、コードやメロディラインはハワイアンとなっており、キャッチーな歌詞が多くレゲエよりも明るくゆったりとした曲調で、伴奏にはウクレレが使われることが多いのが特徴です。ハワイでも人気のジャンルで、日本のアーティストだと「Def Tech(デフテック)」がこのジャンルに当てはまります。
代表的な曲・アーティスト
・ラガ・サヴェア
・ザ・グリーン
・カナぺ
・ノーム
・フィージー
チャント(オリ)
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チャントは非常に民族色の強いハワイアンミュージックで、基本的には伴奏がない、または簡素であるのが特徴の音楽です。ハワイ語ではオリと言い、ハワイ先住民が祈りや伝承を歌ったものに由来し、個人で歌われるメレ・オリと、グループで歌やダンスに合わせるメレ・フラがあります。宗教的な意味合いも強く、神への祈祷や豊穣・大漁を願うための歌でもあるのです。
代表的な曲・アーティスト
・マーク・ホオマル
・クーニヒ・カ・マウナ
・エ・ホー・マイ
ハワイアン・カントリー
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ハワイの情景が浮かぶような、どこか懐かしさを感じる曲調が特徴のハワイアン・カントリー。アメリカ南部で生まれたカントリー・ミュージックの影響を受けており、別名「パニオロ」とも呼ばれます。パニオロはハワイ語でカウボーイという意味です。
代表的な曲・アーティスト
・メルビーン・リード
・アーニー・クルーズ・シニア
ハワイアンミュージックを代表する有名曲
ハワイアンミュージックにはその時期によって少しずつ変化し、現在ではさまざまなジャンルの曲が歌われています。そんなハワイアンミュージックですが、カフェやショップなどでも流れているため無意識のうちに耳にしたことがある曲も多いのではないでしょうか。続いては、誰もが一度は聞いたことがあるような、ハワイアンミュージックを代表する有名曲についてご紹介します。
アロハオエ
アロハオエは、ハワイ王国第8代の最後の女王リリウオカラニによって作詞されたとされている曲です。「我が愛をあなたに」または「さようなら」を意味する曲名で、愛する人との別れを惜しむ切ない歌詞となっています。メロディは既存の曲を転用したものと言われており、当時はメロディの転用が日常的に行われていたそうです。
タフワフワイ
ジョニー・ノーブルがジャズ要素を取り入れて作ったスウィング風ハワイアンポップスであるタフワフワイ。愛する二人がバラの茂みで密会している様子を歌ったもので、日本でも1960年代にウクレレ漫談による替え歌が流行しました。
ブルーハワイ
ブルーハワイは映画「ワイキキの結婚」で主演のビング・クロスビーが歌った挿入歌です。1961年に公開されたエルヴィス・プレスリー主演の映画「ブルーハワイ」の主題歌としてリバイバルヒットを果たしました。
小さな竹の橋で
サッチモの愛称で知られるルイ・アームストロングのレコーディングによって有名となったハワイアンポップス「小さな竹の橋で」。小さな竹の橋で恋に落ちた二人のラブソングとなっています。アメリカ本土で作曲されたため、ハワイでの認知度はそれほど高くないそうです。
珊瑚礁の彼方に
1950年にビング・クロスビーがカバーしたことで有名になった曲です。その後も多くの有名アーティストがカバー。去ってしまった恋人を戻ってくる日まで待つという切ない内容を明るくゆったりとしたメロディーで歌っています。
真珠貝の歌
1960年代に広まったハワイアンポップスで、オアフ島に伝わる古い歌に英語の歌詞をつけたことで有名になりました。「きらめく真珠貝よりも君を愛している」といった内容のラブソングで、歌詞の内容に合わせたフラダンスの振り付けもあるそうです。
カイマナヒラ
カイマナヒラとは、オアフ島のシンボル、ダイヤモンドヘッドのことを指します。近代的ハワイアンミュージックの父といわれているチャールズ・キングが作曲した曲で、カイマナヒラを讃える歌詞内容です。
ラブリー・フラ・ハンズ
1939年にロバート・アレキサンダー・アンダーソンが作曲した作品で、曲名の通り、フラダンサーの美しい手の動きを讃える内容となっています。ゆったりとした明るい曲調で、フラダンサーへの愛情や敬意を感じられる曲といえるでしょう。
ハワイの音楽でリラックス
ハワイアンミュージックには長い歴史があり、時代の流れによって様々なジャンルが生まれてきました。一度は聞いたこともある有名曲も多く、その柔らかで心地よいサウンドに魅了されている方も多いかもしれません。のんびり過ごしたい時や作業用のBGMとして、ぜひハワイアンミュージックを流して心癒される時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。